断熱性能

寒さ暑さは感覚的で人によって異なるとは思いますが、快適さに関わる住宅の断熱性能を表す数値でQ値があります。車の性能の様に、スポーツ志向が無ければ、性能にこだわらないでしょうし、特に家では、程ほどの性能であれば、気にされない方の方が多いように思います。それよりは、エコロジーや地球環境を考えて、太陽光発電などを真剣に、考える方の方が多いようです。しかし、この住宅性能を環境負荷に置き換えると、数字として見えてくる事があります。たとえば、高気密高断熱の床面積45坪の家で、Q値が1.0w/m2kの場合外気温5℃で室温を18℃に保つと、熱損失が1.95kwになります。福島県ではまだまだ、関東基準で建てられる家が多いですから、仮に3地区の次世代省エネルギーをクリアした家でQ値が2.7w/m2kになり、同じ条件で室温を22℃(体感温度の違い)に保つと、6.89kwの熱損失になります。もちろん今の時期、外気温は0℃を下回りますから、この差はさらに広がります。Q値1.0の場合、熱損失1,950w、Q値2.7の場合熱損失6,890wで、その差4,940w。最大出力5,000w(5kw)の太陽光発電が最大可動時に、やっとペイできる値になります。福島県では10月から3月頃まで暖房を使う家も多いと思います。熱損失は単純に環境負荷になります。せっかく地球環境を考えて、太陽光発電を入れても家の性能によっては、無意味になりかねません。
Q値2.7は国が奨励する省エネルギー基準を3地区でクリアする性能の家ですから、エコを考えるなら、もっと国の基準を厳しくした方が良いとは思います。また、住宅を提案するものとしては、住まわれるご家族の健康はもちろん、地球の健康(地球環境)も提案していきたいと考えています。